日本では、ピルについての正しい知識や使い方がしっかりと理解されていないため、ピルの効果の高さが認識されていない現状があります。
避妊効果の高い順番に、(1)
低用量ピル、(2)
避妊手術、(3)
IUD(子宮内避妊器具)、(4)
コンドームとなります。
ピルは、避妊効果は高いのですが、性感染症を予防することができません。コンドームの場合は性感染症を予防する効果は高いのですが、避妊効果はピルに劣ります。最も好ましいのは、ピルとコンドームの併用です。
当クリニックでは、最も避妊効果の高いピルの服用をおすすめしていますが、ピルを飲みたくない方には、ご希望によりIUD(子宮内避妊器具)の挿入も行っています。
デリケートな内容ですが、親身になってお話をお聞きしたいと思います。
避妊法の種類
避妊法の種類
| 経口避妊薬 (OC:低用量ピル) |
避妊手術(女性) |
子宮内避妊器具 (IUD) |
コンドーム |
殺精子剤 |
緊急避妊法 |
避妊効果 |
0.3 |
0.5 |
0.6 |
2 |
18 |
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※数値が小さいほど避妊効果が高い |
方法 |
エストロゲンとプロゲステロン(プロゲストーゲン)の2種類のホルモンからなる低用量経口避妊薬(OC)を毎日1錠ずつ服用する。 |
手術で卵管を結紮、切断する。 |
特殊な器具を子宮内に挿入し、受精卵が子宮内膜に着床するのを防ぐ。 |
男性の勃起したペニスにかぶせて、精子の腟内への侵入を防ぐ。 |
性交の前に精子を殺す薬品(錠剤)を腟内に入れる。 |
避妊をしなかった性交の後でも、72時間以内(3日以内)に、中用量ピルを服用することで、妊娠の可能性を75%程度減少させることができる。 |
長所 |
- ・女性主体で避妊ができる。
- ・正確に服用すれば避妊効果は確実。
- ・避妊以外の利点(副効用)がある。
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- ・一度行えば効果は永続する。
- ・次回の妊娠を希望しない場合、帝王切開術と同時に行うことがある。
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- ・器具を除去すれば、妊孕性(妊娠する力)を回復できる。
- ・乳汁分泌に影響がないため、出産直後から使用できる。
- ・比較的安価に避妊ができる。
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- ・性感染症(STD)の予防ができる。
- ・男性が避妊参加できる。
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- ・薬局で安価に購入できる。
- ・女性がその場で使うことができる。
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- ・避妊しなかったり、避妊に失敗した性交やレイプなどによる妊娠を回避する緊急手段である。中絶法ではない。
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短所 |
- ・服用開始後1~2週間は気持ちが悪くなったり、少量の不正性器出血がある場合がある。
- ・血栓症や心筋梗塞などのリスクを伴う場合がある。
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- ・手術による負担が大きい。
- ・卵管再建術を行っても妊孕性(妊娠する力)を回復できない場合がある。
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- ・女性主体の避妊ができない。
- ・破損や脱落、精液漏出の可能性がある。
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- ・性交の数分前に挿入する必要がある。
- ・避妊効果が劣るためにあまり普及していない。
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- ・悪心(吐き気や胸のむかつき)、嘔吐など、副作用が出やすい。
- ・排卵遅延を招いたときには、ピル服用後の性交で妊娠する可能性がある。
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